- granma
GRANMA
仏さまにごはんとお茶、ときどきうどんを毎朝毎晩。
ろうそくに火をつけ線香に火を受け、鈴(りん)を鳴らして合掌。
何かボソボソつぶやいている。「お前帰ってきてからおじいちゃんにお線香あげたか?」
いつも言う。
「おばあちゃん、お墓参り行こう。」
「連れてってくれるん?じゃあ支度しなきゃ。」
悪くした足を動かし、久しぶりの化粧を始めた。
「こんなんしても変わりゃしねーけどな。」
照れながら言うところがかわいらしい。
「こんな服でいいかな、この前しまむらで買ってきたんだけど。」
「お線香とライター持ったかー。お花は野尻の里で買えばいーや。」
しっかりとした声で指示を出す94歳。世話焼きだ。
広い霊園に着くといつものようにお墓周りのお掃除。
いつものように何かボソボソつぶやいている。
線香を添えて合掌。そしてまたボソボソ。
なんか分からないけど、こーゆーのいいな。